事務所ブログ

2014.10.26更新

"アパートを借金で建てると相続対策になるから"と、熱心に勧めてくる業者が多いようです。
業者が提供する資料を拝見しますと、全棟一括借上方式の家賃保証タイプのもので、"借入金の元利返済額、固定資産税、将来の修繕積立、必要経費、所得税"などを細かく考慮し、堅実にまじめに作成されていて、感心します。
たしかに、全額借金で1億円のアパートを建てると、1億円のアパートの相続税評価額は、4,200万円くらいになり、相続発生時に借金が1億円残っていれば、差引5,800万円を他の財産から差し引くことができ、相続税率が10%なら580万円ほど、20%なら1,160万円ほど節税できる計算となります。
こんな提案を聞くと、毎年の固定資産税の心配もいらなくなるし、相続税が安くなり、毎年180万円も貯金ができるなら、「やってみるか」という気になりますね。
アパートローンは、通常30年から35年返済が多いのですが、30年返済とすると、30年間にアパートが借入金も返済してくれ、固定資産税を負担しくれ、なおかつ30年間で5,400万円も現金を残してくれるし、借入金を完済すれば月々の元利返済金35万円も手元に残るようになり、"月々50万円も現金が残るようになる"なんてことを聞けば、「契約書を持って来い」ということになるのでしょう。
本当に"アパートを借金で建てると相続対策になる"のでしょうか?
10年、15年、30年経過時点の収支及び損益(税金)の試算をしていますか?
毎年180万円も貯金できるはずだったのに、まさか所得税・住民税ががこんなになるなんて、、、、てなことを想定していますか?
借金を完済すると、相続財産が増えるますが、よろしいのでしょうか?
"アパートを借金して建てる"こと以外に有効な相続対策はないのでしょうか?
実行に移す前に、専門家の意見をちょっと聞いてみることが必要かもしれませんよ。


投稿者: 水野充永税理士事務所

2014.10.01更新

相続対策のご相談とか、相続税申告をお引き受けしたときとかに、"贈与したつもり"になっている方々をたびたびお見受けしています。
そのほとんどが、金融機関の人に教えてもらうとか、セミナーとかで聞いて、
「印鑑さえ変えれば大丈夫。」
「1,110,000円贈与して、贈与申告して、1,000円贈与税を納めりゃこれで大丈夫。」
中には、月々の掛金が10万円で5年満期の積立預金を行い、
「年1,200,000円の贈与だから、贈与申告して1万円贈与税を納めりゃ贈与完了。」
こういった方々が結構いらっしゃるんですよ。
相続対策でおやりになってみえるのでしょうが、相続税調査で否認される場合が多いことをご存じでしょうか。
「うちは規模が小さいから税務調査なんて無縁です。だから大丈夫です。」と言い切る方がいらっしゃいますが、税務署をなめてはいけません。『やったつもり贈与』は一番狙われやすいのですよ。
そもそも贈与とは民法の定めです。
民法で贈与については、
① 贈与の当事者同士が贈与契約を交わすこと
② 贈与財産を贈与者から受贈者へ引き渡すこと
が要件となっています。
即ち、贈与者が受贈者に対して、「贈与者の財産をただであげますよ。」と言い、これに対して、受贈者は、「はいありがとうございます。よろこんでいただきます。」と言ってはじめて贈与が成立するわけです。
ですから、「印鑑が変えてあるから」とか、「贈与税の申告して税金をちょこっと払ってあるから」といっても、民法上の贈与契約が成立していなければ、税法上も贈与とは見なさないのです。
前提条件が重要なのです。
せっかくの相続税対策です。後で無駄とならないためにも、事前に税理士に相談することをお勧めします。

投稿者: 水野充永税理士事務所